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富士電機

RPAの問題点を整理する。
導入を阻む壁は、どこにあるのか?

働き方改革とあわせてRPAの注目度が急上昇

数年前から急速に注目を集めているRPA。「Robotic Process Automation」の略であり、業務をロボットで自動化することで効率化を目指すツールです。これまで多く使われてきたExcelのマクロ・VBAとは異なり、Excel以外のアプリケーションも自動化できること、プログラミングの知識が不要で誰でも簡単に使えることなどから、一気に導入企業が増えています。
いち早く導入が進んだ海外に続き、日本でも2016年ごろから取り上げられる機会が増え、Googleでの検索ボリュームも急激に伸びています。その背景にあるのが、働き方改革の流れ。関連法が施行されたこともあり、時間外労働削減への取り組みが急務となり、業務効率化を進めるためにRPAを活用する企業が増えていきました。ところが、それを追いかけるように翌2017年からは「RPA できない」「RPA 失敗」といったキーワードでの検索が増加。導入企業が増えるとともに問題点も顕在化してきたのです。

RPA導入時に立ちはだかる、3つの問題?!

もちろんRPAが問題点ばかり……というわけではなく、自社の業務やニーズ、ツールの特性を踏まえて活用すれば、便利なツールであることは間違いありません。そこでまずは、導入時によくある悩み・問題点を整理。RPAの効果を最大化するために、事前にクリアしたいポイントを大きく3つにまとめて解説します。

<問題その1>どの業務に導入すればいいかわからない

最初は「RPAは導入したいけれど、そもそも、どの業務を自動化すればよいのかがわからない」という問題です。これは、業務を細分化できていないことが原因。例えば、「顧客から受注の連絡を受けて、在庫を確認、状況に応じて不足分を発注し、納期を確認、顧客に納期を連絡する」といった一連の流れを「受発注業務」という1つの塊で認識している状態では、どこを自動化できるか判断できません。特に中小企業では、1人の社員が複数の業務領域にまたがって担当しており、そのままではRPAで自動化できないケースが多く見られます。RPAを効果的に活用するには、業務を極力小さく、シンプルな単位に分けて適用することが重要です。

<問題その2>RPAによる自動化にも、向き・不向きがある

社内の業務を見直し、自動化したい業務が見えてきたとしても、必ずしもRPAで自動化できるわけではありません。RPAにも“向き・不向き”があり、業務の内容によって自動化の難易度は大きく変わります。RPAが向いているのは、入出力のフォーマットが確定しており、変化がない業務。ルールに沿って繰り返し処理を実行するような業務は、大きな効果を期待できます。
一方で、入力業務でも細かな条件分岐があるものは実装にかなりの負荷がかかる上、業務に変更が生じるたびにメンテナンスが必要になります。自動化にかかる手間・時間に対して、どこまで効果が出るのかを見極める必要があるでしょう。

<問題 その3>RPA活用にあたってITガバナンスが懸念

RPAを導入する前に検討しなければならないのが、ITガバナンスの問題です。RPAは、業務を簡単に自動化できる便利なツールですが、それゆえに不正行為のハードルが下がるなど事件や事故につながることも。「RPAでファイルサーバの機密ファイルが外部に送信されていた」「承認作業を自動化したところ、本来は却下すべき案件を承認してしまっていた」などのトラブルが起きてからでは遅いのです。

問題点を順に解決することが、導入成功の鍵に

RPA導入のプロジェクトを失敗させないためにも、上記の問題点について順番に解決しておくことをお勧めします。
まずは社内の業務を整理し、細分化することから。こうすることで、複数業務に共通する作業なども把握でき、どこから自動化すべきかが見えてきます。その上で、どの業務がRPAに向いているのか?を判断することで、効率化の効果が限定的な業務を手間と時間をかけて自動化していた……といったことを避けられます。
そして、RPAを社内に展開する前に、ガバナンスや運用ルールの検討を忘れずに。運用がはじまってから改めてルールを適用するのは難しいもの。ガバナンスを徹底するためにも事前のルール策定が重要です。
複数の問題点が絡まったまま検討していても、なかなかプロジェクトは前に進みません。少し遠回りに見えるかもしれませんが、業務の見直しからスタートし、ステップを踏んで進めることで、きちんと効果を期待できるRPAの導入を実現できるのではないでしょうか。

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