Introduction example事例:清本鐵工株式会社
基幹システムリプレース時の帳票作成のコストダウンと
日常業務の効率向上を実現
1937年の創業以来、「エネルギー・インフラ・食・環境」といった多角的な分野で事業展開している清本鐵工株式会社。同社では、基幹システムリプレースに合わせ、帳票開発のコスト削減とExcelレポート作成業務の効率化を目指して、「軽技Web」を導入しました。これにより、帳票の内製化に成功し、コスト削減に成功しました。また、従来Excelベースで独自の帳票を作成していた業務が大幅に軽減され、経営会議などに不可欠なレポート作成も1クリックで処理可能になり、大幅な業務負荷の軽減を実現しました。
背景と課題
自社独自の管理会計に対応可能なツールを求める
「軽技Web」の柔軟性や汎用性に注目
清本鐵工は現在、「メンテナンス事業本部」「プラント建設事業本部」「鋳鋼事業本部(武雄工場)」の3事業本部、「インフラ建設事業部」「製菓・食品機械事業部」「水・環境事業部」「フォレストエナジー事業部」の4事業部体制でビジネスを展開。独自の高い専門性やネットワークを有する関連会社を国内に7社、国外に5社有しています。また、2010年頃より、国が推進する木質バイオマスの燃料化事業を開始。近年話題のSDGsに先駆けて、製材時に発生する杉の樹皮を国内最大級の製造設備にてペレットとして再生させる事業に取り組み、農林漁業に寄与する取り組みを行っています。
同社が「軽技Web」を導入したのは2016年。当時について管理本部 管理部 情報管理課 課長の濱田佑二氏は次のように振り返ります。
「『軽技Web』に注目したのは、一般的なBIツールが得意とするダッシュボードや分析機能ではなく、データベースと連携して色々な帳票を作成できる柔軟性や汎用性でした。当社では生産管理、売上管理、財務などで独自の帳票を使用しています。そのため以前は独自に作成して対応していましたが、その手間がかなり大きなものになっていました」。
同社における生産管理は、通常の建設業とは変わらないものの、管理会計の考え方が独自のものになっていました。その管理会計の考え方に合わせるための対応が不可欠だったのです。
「通常は、竣工して、売上を立てて、財務上にその売上が計上される形になりますが、当社では月の生産高という形で売上分を計上する管理会計の考え方を導入しています。財務諸表上は竣工後に売上計上となりますが、管理会計では原価発生月に仮説的な売上粗利を割り当てて、損益をシミュレーションする管理をしています」(濱田氏)。
橋梁建設などのプロジェクトは数年におよぶことも少なくありません。その間売上がなく、2年後に一括で売上が計上される形では、利益がどれくらい出たのか的確に把握できません。そこで、何月にどれくらいの外注費用が発生するのかなどをあらかじめ計画し、スケジュールとして組み込んでおくことで、月別での利益計上ができる形にしていました。プロジェクト中の支払いは、資金繰りにも影響するため、財務的な連動も踏まえて組み込んでいるといいます。
「このように他社とは異なる仕組みを取り入れていることから、独自にシステムを対応させたり、独自の帳票を作成する必要がありました。また、プロジェクトにおける費用のスケジュール化は、現場の監督者に多くの手間と時間をとらせることから、その負担軽減も図りたいと考えていました」。
旧システムでは、基本的に紙ベースでの出力しかできなかったことから、紙で出力した帳票をExcelに再入力するなどしてデータ利用していました。こうした非効率な作業をなくすためにも、基幹システムからデータを直接、入手して容易に活用できる環境の構築が命題だったのです。
濱田 佑二 氏
管理本部
管理部 情報管理課
課長
要望に唯一対応した「軽技Web」
清本鐵工は管理会計と財務会計の2つの売上管理を続けていくなかで、基幹システムのリプレースに合わせて独自の帳票作成に適応できるツールを探したものの、それを実現できるツールは「軽技Web」以外になかったといいます。
同社が求める要件としては、基幹システムのリプレース時における帳票作成などのコスト、手間の削減をはじめ、運用フェーズにおいて情報の有効活用により業務効率化を図っていくためにも、専用のデータベースを構築することなく基幹データベースから容易にデータを取り込んで表示できることがありました。加えて、専門知識を必要としない優れた操作性、使い慣れたExcelとの連携の高さなども評価ポイントになりました。
「こうしたわれわれの要望を満たせる唯一のツールとして、『軽技Web』の導入を決定しました」(濱田氏)。
解決と効果
作業効率が大幅に向上し、データ活用が促進
2時間の資料作成も1クリックで完了
内製化の実現でコスト削減に成功
清本鐵工では、旧システムから「軽技Web」へと移行する際に、過去に独自作成した各種帳票の棚卸を実施しました。その結果、「軽技Web」で作成した帳票は本社側で86種を数えました。多数におよぶため、コンサルタントとベンダーの協力を得ていましたが、内製化が実現できたことで、アドオン開発などと比較すると大幅なコスト削減に成功しました。
「本社に『軽技Web』を導入した当時は2名でシステム化を進めていました。現在、もう一人の担当は佐賀の武雄工場で生産管理システムを担当しています」(濱田氏)。
本社での成功を受けて、鋳鋼事業を担う武雄工場でも「軽技Web」で76帳票を作成し、同様にコスト削減に貢献しています。鋳鋼については本社が担う建設系のプロジェクトとまったく生産管理の考え方が違うといいます。前述のように建設系のプロジェクトが数年におよぶのに対し、鋳鋼(鋳物)製品は、毎月の生産量を明確化できるという違いがあるため、使用する帳票もまったく別物になります。そうした違いにも「軽技Web」は柔軟に対応できることから、効率的な帳票開発が可能になりました。
本社側で導入した「軽技Web」はライセンスの規定上、佐賀側でも同じサーバで共有しているため、武雄工場でもこうした帳票の作成、利用ができるようになっています。「軽技Web」は、接続するシステムやデータベースの数にライセンスの縛りがないため、こうした有効的な活用が可能です。
「本社側で定期的に出力しているのは、工事単位で外注などのコストと時間がどれくらい掛かっているかという資料です。損益計算の基となる試算表も出しています。また、ファイル作成機能を使って、補助システムと定期的にデータ連携させて、指定場所にデータを保管するといった使い方もしています」(濱田氏)。
児玉 浩太 氏
管理本部
管理部 情報管理課
係長
見栄えのよいレポートが簡単に作成可能
定型的なレポート業務としては、Excelテンプレート機能を活用しています。マクロを組み込んだExcelを「軽技Web」にアップロードし、検索実行すると基幹データが直接Excelに流し込まれた状態でダウンロードされます。Excelを開くとマクロが動き、別シートに定型レポートが作成される仕組みです。情報管理課 係長の児玉浩太氏は「そうしたテンプレートも数多く用意しています。また、Excelテンプレートを活用すると、見栄えのする資料も容易に作成できます。取引先ごとに異なる注文書の作成も、データベースからマクロで落とし込んで、そのまま出力できます。いずれは紙ではなく、PDFに変換してメールに添付するまでを自動で処理できるようにしたいですね」と語ります。
「軽技Web」を使い始めてまだ数か月という情報管理課の後藤紗弥氏も「会議費、交際費について月毎の実績を出しています。『軽技Web』を使い、フォーマットにマクロを組み込み、ボタンを押すだけで別シートに入力し、メールに添付して送付するまでの仕組みを作成しました。使い勝手はとても良いと思います」と述べています。
「軽技Web」の恩恵が最も高いのは数字を管理している経理部門です。実際、こんな帳票が出せないか、今の帳票に項目を追加したい、集計の単位を変えたいなど要望は一番多いといいます。以前なら、人手に頼ってExcelなどで作成していた資料も、今は「軽技Web」で容易に処理でき、しかも数字の羅列ではなく、グラフィカルな見栄えの良いレポートとして提供できるようになったことで、経営陣からの評判も高いようです。
「以前は毎月作成している受注資料を作成しようとすると2時間は必要でしたが、今では1クリックで終了します。しかも、部門別、取引先別、営業別、工事内容別など色々な関連する帳票もおまけで付いてくるので、利便性が格段に上がっています。経営層向けだけでなく、毎月、部課長を対象とした売上などの資料も出しているので、かなりの数におよびますが、その手間が大きく削減できたことで、レポート作成業務やレポート利用部門の業務効率化および生産性向上に大きく貢献しています」(濱田氏)。
今後の展望
DX推進の一環としてRPAによる定型業務の自動化に取り組む
“紙ベースの業務”という意識を変えたい
現在、本社側で作成した帳票は100を超えるまでになりました。今では、そのすべてをベンダーやコンサルタントに頼ることなく内製化できるようになったことも、コストや対応スピードという点で大きなメリットになっています。
清本鐵工では、DX推進の一環として、RPAによる業務の自動化にも取り組んでいます。RPAについては、マイクロソフトのPower Automateを使用し、システム部門に頼らず、現場自ら活用できるように去年から勉強会を実施しています。「軽技Web」と組み合わせてデータを利用する類の定型業務を自動化することで、更なる効率化の実現を目指しています。
「紙ベースの業務慣習が一部に残っているので、そういった文化も変えていきたいですね。そこで富士電機には、『軽技Web』の活用でこのように業務を変革したといった他社の事例などを紹介する、セミナーや勉強会の場を設けてもらえるとありがたいですね」と濱田氏は期待を語ってくれました。
後藤 紗弥 氏
管理本部
管理部 情報管理課
社名 | 清本鐵工株式会社 |
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所在地 | 宮崎県延岡市土々呂町6-1633 |
創業 | 1937年2月 |
資本金 | 9,500万円(2022年3月末現在) |
事業内容 |
各種工場・生産設備、プラント建設、インフラ建設、鋳鋼事業など |
従業員数 | 525名(2022年4月現在) |
会社URL | https://www.kiyomoto.co.jp/ |
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