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「工場の見える化」を改めて考える。なぜ今まで進まなかったか、着実に進める方法とは?

工場の見える化とは

「工場の見える化」は、生産機械や設備、ラインなどに設置したセンサーなどで収集したデータを、“人”が理解しやすい形に加工・可視化することを指し、製造業において長く取り組まれてきたテーマの1つです。生産ラインなどの状況を把握し、ボトルネックの解消やトラブルの早期発見により、生産性向上につなげるためにも、データによる「見える化」は重要とされてきました。特に、IoTが登場したことで、センサーデータを収集する手段は一気に広がります。収集するデバイスの性能が上がったこともあり、多様なデバイスにデータ収集の機能が搭載され、データ活用のための「見える化」が注目されてきました。
あわせて、工場では生産機械・設備の状態や温度・圧力など様々なデータを“人”が監視・制御するためのインターフェース(画面など)であるHMI(Human Machine Interface)の技術が進化し、現場での「見える化」によるデータ活用が進んできました。しかし、HMIはあくまでデータの見える化と機械の制御が中心であり、データ分析などの機能は持ちません。また、生産機械・ラインの近くに設置したモニターで確認するため、離れたオフィスではデータを見ることができず、工場での限定的な活用に留まります。
最近は、「工場DX」がトレンドになるなかで、改めて「工場の見える化」が注目を集めていますが、従来のものから一歩進み、オフィスにいる生産管理部門のメンバーなどがデータを確認し、状況分析に活用するための「見える化」が求められています。

工場の見える化の目的とメリット

「工場の見える化」の目的は、簡単にまとめると「現場で起きている状況を把握し、異常への対応など、迅速に適切な判断を可能にすること」と言えるでしょう。音や振動に対する違和感など、長年の経験や勘に基づいて、修理・交換を判断するのではなく、センサーデータなど、可視化されたデータに基づいて判断することで、対応の迅速化だけではなく、特定の社員に頼らない標準化も可能になります。
そのメリットをまとめると大きく下記4つが挙げられます。

生産性向上
データから機械や設備が故障する予兆を検知することで、事前にメンテナンスする予兆保全が可能に。また、把握しづらいボトルネックなどを発見し、根本的な対処を行うことで解消するなど、生産ライン全体の生産性向上を実現します。
品質安定化
不良品が出やすい傾向などを分析し、原因を解消することで不良率を削減できるほか、異常の早期発見なども可能になり、品質の安定化につながります。
属人化解消
ベテランの経験・勘に頼った判断から脱却し、データに基づいた客観的な判断へとシフトすることで、誰でも対応できるようになり、属人化を解消します。また、データで状況が見える化されることで、ノウハウの社内共有も可能になります。
コスト削減
業務効率化や無駄の削減を進めることで、工場・生産ライン全体でのコスト削減にも貢献します。

工場の見える化における課題

様々なメリットがある一方で、工場全体でのデータ見える化というと、「以前取り組んだものの、定着しなかった」など、なかなか進んでいない企業も少なくありません。
その大きな要因となっているのが、「どのデータをどう見ればよいのか分からない」という課題です。IoTセンサーなどにより、膨大なデータを取得できるようになりましたが、「自分たちがやりたいことのために、どのデータを見ればよいのか」を踏まえて、データをチューニングする必要があります。そのためには細かなデータを組み合わせながら、仮説と検証を繰り返すしかなく、かなりの負担になります。その結果、「データは貯めているが、見える化はできていない」となりがちです。
また、ひと言で「見える化」と言ってもその範囲は広く、生産ラインの異常検知のためのデータから、工場全体のエネルギー状態(電力や水の消費量など)、生産管理システム・原価管理システムなどのデータも対象になるでしょう。例えば、工場全体での見える化となると、MES(Manufacturing Execution System・製造実行システム)のような大規模システムを導入・構築することになり、高額な投資が必要です。自社の目的や規模、見える化の範囲などを踏まえて検討しなければ、ハードルばかりが高くなり、「見える化がいつまでも経っても進まない」となりかねません。

工場の見える化の進め方

工場の見える化を確実に進めるには、まずは範囲を限定し、スモールステップで試行錯誤を繰り返すことをお勧めします。最初から目的にフィットしたデータを揃えられれば理想ですが、簡単にいくものではありません。チューニングばかりに時間を取られ、先に進まなくなってしまうならば、まずは製造業向けに用意された標準テンプレートなどを活用し、見える化したデータにもとづいて実際に運用することを優先しましょう。実践することで初めて、「自社ではこのデータも必要」「このデータではなく、違うデータを見たい」など要件が明確になることもあり、そこから1つずつ調整しながら、自社にあった形を模索するとよいのではないでしょうか。
対象とする範囲も、いきなり工場全体の見える化を目指し、大規模に取り組むのではなく、特定の生産ラインなどに絞ってスタートし、ノウハウを蓄積しながら徐々に全体へと展開することをお勧めします。

製造現場のデータ活用を支援する「軽技Web for Factory」

テンプレートを活用しながら、スモールスタートで工場の見える化を進める際にお勧めなのが、「軽技Web for Factory」です。 軽技Web for Factoryは、簡単な操作で自由にデータを見える化できる、データ活用プラットフォーム「軽技Web」をベースに、製造業の現場にあわせたテンプレートを提供。短期間でIoTデータを活用した稼働分析やモニタリング、予兆保全などを実現します。
その特長は、製造現場の実態に即したテンプレートが用意されているため、蓄積されたデータを取り込むだけで見える化を実現し、手軽にデータ活用をスタートできる点にあります。テンプレートは自由に変更できるため、自社のニーズや現場の状況にあわせて、「今、必要なデータ」を「今、必要な観点」で分析でき、「データは蓄積されているけれど、活用できていない」といった悩みを解消します。
さらに、富士電機が提供するエッジコントローラと軽技Web for Factoryを連携することで、IoTデータの収集から見える化までトータルでのご提案も可能です。

工場の見える化・ユースケース

チョコ停の状況を分析し、根本原因を解消
製造現場における悩みの種の1つが、繰り返される「チョコ停」です。対症療法では根本的な原因を解消できないものの、原因を探る手段がなく、悩んでいるケースも多いのではないでしょうか。
こういった「チョコ停」もデータを見える化することで、原因を分析しやすくなります。例えば、時間帯ごとに設備が停止した時間を積算してグラフ化すれば、「どの時間帯にチョコ停が頻発しているか」が明確になります。さらに、アラートが発報されてからアラートが停止するまでの時間と、設備が停止してから再稼働するまでにかかった時間を重ねてグラフ化することで、「アラートはすぐに停止しているが、再開までに時間がかかった(対処に時間がかかった)」ケースだけを簡単に洗い出せます。特に対応に時間がかかったケースだけを抽出して確認するなど、根本的な原因を探る際に有効です。
ラインの効率低下を検知する
「生産ライン自体は停止していないものの、どこかにボトルネックがあり、生産性が低下している」といった状況も分析できるようになります。
複数の設備やラインを組み合わせるケースなどで、「製品が流れる間隔が徐々に長くなっている」などの状況も、担当者の感覚ではなく、データとして把握できるようになります。「動いているけれども、遅くなっている(なにかがおかしい)」ことを傾向として把握できれば、予兆保全としてメンテナンスするなどの対処が可能です。

見える化からデータ活用を目指す。まずはテンプレートを活用した取り組みから

業務効率化や生産性向上、品質安定化などを図るためにも、「工場の見える化」自体の必要性は、多くの企業が理解しているはずです。しかし、いざ実践しようとなると様々なハードルがあり、簡単にはできないのも現状でしょう。
「工場DX」が新たなキーワードとして注目されていることからも、経験や勘に頼った運用ではなく、データを活用した判断や意思決定へのシフトが求められていることが分かります。まずは最初の一歩として、見える化を定着させるためにも、手軽に軽技Web for Factoryのテンプレートを活用して取り組みをスタートしてはいかがでしょうか。

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